結局それ!?

そしてGWも明け、やっと初めての診察日です。

大病院の常、朝からずっと待ち続け、昼過ぎにやっとのことで診察となりました。

 

「オカルト乳がんですか、面倒なことになってますね」

 

若い女医さんの言葉に私は「はい」とこたえました。

原発不明とはいえ、この病院では血液性ではなく乳がんだろうという判断のようです。

女医さんが大きく頷きます。

 

「安心してください。

オカルト乳がんなんて言葉は

医学が発達する前の過去の言葉です。

現代の医学であれば、原発なんてすぐに発見できますから」

 

力強い言葉に、期待が高まります。

すごい!

ここの病院に来てよかった!

 

「森田さん、造影MRIは受けてないですよね」

「あ、はい……喘息なので……」

造影MRI撮りましょう。それで一発です」

 

!!!!!!!?

はあっ!?

 

「いやでもあの……!

喘息だから造影MRI使うと心臓が止まるかもって前の病院で…」

「ここは病院ですから、止まったらちゃんと措置をします。

安心してください!」

 

ああ、それなら安心……

…………って、いやいや、この前、造影MRIダメって言われたのも病院なんですが?

戸惑い顔の私に女医さんが畳みかけます。

 

「いいですか、森田さん。

副作用の危険と検査によるメリットと、

どちらが大きいかを私たちは常に考えています。

今度の場合は、

副作用の危険より、

検査結果を得るメリットの方が大きいんです

 

ええ、そうですね。

そうでしょうとも……。

話は分かる。

分かるんだけど――!

診療科不明

話は戻ります。

 

病院から、転院のための紹介状やら今までの検査結果の資料を受け取った私は、

これで何もかもスムーズに進むと思ったのですが……。

 

紹介される病院のHPを見ると、

現在、大変込み合っているので手術などはずいぶん先になってしまいそうな記載が。

紹介状を見れば、封筒の表には医師名はおろか、担当の診療科名もありません。

(紹介とはいえ、これじゃあ個人で直接行ってもあんまり変わらなさいぐらいの扱いなのでは…?)

何となく不安な気持ちながら、私は紹介先の病院に予約の電話を入れました。

初診で紹介状がある旨を伝えると

「何科におつなぎすればよろしいでしょうか?」

との言葉が。

でも先述の通り、封筒表には何も書いてありません。

「ええっと原発不明なので、どこの科なのか…。多分、乳腺科か血液腫瘍科だと思うんですが……」

「どういう事でしょう?」

電話口で状況を説明すると、どこの科にすべきか医師と相談するのでしばらく待ってほしいとのこと。

こちらの電話番号を伝えて、いったん電話を切ります。

そして数分後。

「乳腺科でいいでしょうということになりましたので、乳腺科でご予約お願いします」

と連絡があり、乳腺科に予約を入れました。

GW寸前だったので、予約はGW明けということになりました。

先だなあと思いましたが、とりあえず予約出来てほっと一息。

 

「って、そんなにのんびりしていて大丈夫なの?」

そう言ったのは母。

「今の話じゃ見つかったのって2月なんでしょ? なのに5月に初診って…」

いやあ、ひとつひとつの検査に時間がかかる上に展開が予想外なのでそう言われても…。

歯がゆい気持ちで、GWを過ごしました。

不運の確率

確率の話、もう少し続きます。

 

奇跡の確率である0.1%にあたる人は強運ですが、中には悪い方の確率に当たる人もいます。

オカルト乳がんは珍しいがんで、どのぐらい珍しいか…をウェブ等で調べたんですが、

信頼できるソースは見つかりませんでした。

言及していたのは1つだけ。

それはオカルト乳がん闘病患者のブログで、

その方はオカルト乳がんは乳がん全体の500人に1人と書いていらっしゃいました。

これを信頼するのなら、0.2%なので、奇跡の確率の倍ということですw

何もそんな珍しいもん拾わなくてもですよねえ。

それはそれとして……叔母の話です。

 

大叔母は奇跡の人でしたが、叔母は不運の人でした。

脳内に小さな腫瘍が見つかった叔母は手術をすることになりました。

成功確率は80%以上ということで、みんな気楽にしていました。

母が病院につきそって、叔母は歩いて手術室に入っていったそうです。

なのに……。

術後何時間しても、叔母の意識は戻りませんでした。

いわゆる植物状態という奴です。

元気で歩いて手術室に入っていった叔母。

それが植物状態になってしまうなんて誰も想像しなかった。

叔母の意識が戻らなくなって、身内はみんな

「医療ミスだ! 訴えよう!」

と思いました。

だけど……。

冷静に考えてみれば最初から「成功率は80%以上」と説明されていたのです。

それは逆に考えれば「20%近くは失敗します」という意味でした。

そして失敗したらどうなるかなんて、誰も考えなかったんです……。

結局、私たちが医師を訴えることはありませんでした。

叔母の意識は戻ることなく、手術の10年後、叔母は息を引き取りました

 

確率の大きい方を引くか、小さい方を引くかは運なのです。

悪い確率を引いてしまった人にとってはそれは100%の不運と同じこと。

だから、確率を考えることなんて、実は意味がないんですよね

奇跡の確率

闘病記、前回から3カ月以上間が開いてしまって申し訳ないです。

さて転院先の病院の話の前に、ちょっとした幕間のお話をしたいと思います。

 

実を言いますと、私の大叔母は奇跡の人でした。

何か奇跡かと言いますとね。

末期の胃がんで、医師に匙を投げられたのに、なんと完治させてしまったんです!

胃がんはすっかり消え去って、医師は「奇跡ですね」と言ったそう。

電車の中でたまたま会った通院先の看護師さんが大叔母を見て、腰を抜かしたとか。

だってあの末期がんで、生きているはずがない。

幽霊だと思ったんですって。

 

とはいえ当時のことは母から聞いただけで私は詳しいことはわかりません。

私の知る限りの大叔母は、ちょっと神がかった人でして、しょっちゅう仏壇の前でお経をあげていました。

で、時々、バタンと倒れてわけのわからないことを言う。

目を覚ました大叔母は、どこだからわからないんですが崇敬していた霊山に登って霊を下ろしてくるんだそうです。

これは例の胃がんで余命宣告された際に、医師から

「手の施しようがないので、患者さんの気持ちが安らかになるようにしてあげてください。宗教とか」

と言われて、宗教を勧めた結果だそうで。

家族は

「末期の胃がん治ったんだから、どうでもいいや」

と、大叔母の神がかりは放置していたそうです。

 

で、その話を雑談として知り合いの科学ライターさんにしたことがあったんですね。

もちろん、私のがんが判明する、ずっと前のお話です。

そしたら

「ああ、そりゃプラシーボだね」

と。

「プラシーボ? あの偽薬効果ってやつですか?」

「そのプラシーボ。医者に聞いたことあるんだよ。

たまーにプラシーボだけで末期がんまで治しちゃう患者がいるって」

 

プラシーボ(偽薬効果)というのは

患者に偽の薬を処方しても患者がその薬を本物だと信じることで症状の改善がみられることを指します。

この場合は、大叔母が始めた宗教で「がんが治る」と信じた力が末期がんを治してしまったんでしょう。

 

「末期がんが完治しちゃうなんて、すごいですね。そういう人たちってどのくらいいるんですか?」

「医者の話によると0.1%ぐらいって話だったな」

「え? じゃあ末期がん患者の1000人に1人はプラシーボで治るんですか?

それってずいぶん高い確率……

あ、じゃあよく書店にならんでる『××で末期がんが治った』っていうのは…」

「ああ。プラシーボで治した患者が書いたんだろうな」

「うひゃあ。人間の信じる力ってすごいんですね」

 

病院で他の患者さんと話すようになってよく聞いたのが、

「がんだとわかると、変な療法を勧められるから、隠している」

だったんですが、このプラシーボの話を考え合わせると、

どんな変な療法でも1000人に1人ぐらいはそれで完治しちゃうんでしょう。

私はこの数字を知っているので、

これを知っている私にどんなに奇跡的な偽薬のようなものを勧めても

そういった奇跡は起きないんでしょうね。

 

なお、この0.1パーセントという数字は、その後、とある獣医の先生にも同じ話をして

「うん、そのぐらいの比率だね」

と言われたので、そういうもんなんだろうと思ったんですが、詳しいソースは未確認です。

 

未確認ですが、きっとそんな感じなんだろうと思うので繰り返します。

奇跡は0.1%の確率で起きるものです。

宝くじに当たるより、高い確率なんですね。

でも標準治療は、それより高い確率で患者を完治させているんです。

私は標準治療を信じているので、

標準治療にプラシーボ効果が働く可能性もあるわけですから、

今後も標準治療を信じていきたいと思っています。

そして転院へ

翌日、今までの男性医師と交代した常勤の先生は
ちょっと可愛いメガネっ娘の女医さんでした。

「触診でもマンモグラフィでもエコー(超音波)でも原発が見つからず
PETの集積も右リンパだけ。
考えられるのは2つです。
血液性のがんである悪性リンパ腫、あるいは……」

オカルト乳がん…」

言葉を遮るように呟くと、先生が微かに微笑みました。

「よくその名称をご存知ですね」

「さすがに気になったので自分でも調べてみました。
Occult Breast cancerですよね」

先生が大きく頷きます。

「日本語では原発不明乳がんとか潜在性乳がんとか呼びますね。
それで、森田さんのご希望はご実家のある
小田原の病院にってことでしたけど、これはすごく珍しい症例で……」

「ええ、そうですね。私もあとで思いました。
利便性がどうこうって場合じゃなかったですね」

「オカルト乳がんはめったにないものなので、私も経験がなくノウハウもありません
悪性リンパ腫だとしてもこの病院には専門医がいないんです。
大きな病院と言うより研究施設を兼ねた病院でなければ対応できないでしょう」

「研究施設を兼ねた病院と言うと、大学病院とか国立のがんセンターとか?」
「そんな感じです」

「うーん、実家に一番近い病院ならT大学附属病院、
自宅に近いで考えるならS大学の付属病院……」

「どちらも悪くはないですが、私はここがいいと思うんです」

そう言って先生はあるがん専門病院の名前をあげました。
 
(へえ、すごい……)

咄嗟にそう思いました。

その病院はがんの研究治療施設として日本でトップクラスです。
しかも乳がんの臨床経験数は日本一だというのも、
この2カ月ほど調べ続けてきた中で覚えた知識でした。

この手の病院を病院からの提案で紹介されることなんてめったにないと思いました。
だって、聞いたことがありません。
知り合いのがん患者はみんな、
コネを使って無理矢理紹介状を書いてもらったとか話していたのに。

「いかがでしょう?」

と先生。
私は大きく頷きました。

「はい。ぜひそこでお願いします」

PET検査の結果は…

PET検査の結果は今の担当の先生に送られるものだったので自転車で病院へ。

「集積があるのが右のリンパだけなんだ」

と先生。
PET検査は1センチ以上のがんなら発見できると言われているけれど、
それでも見つからないがんもあるとのこと。

「PETって炎症がある箇所にも集積するんですよね?
やっぱりテニス肘じゃ……」

「テニス肘にしては集積が異常だ。細胞の顔つきも悪い。
これでがんじゃなかったとしたら、膠原病ぐらいしか考えられない」

膠原病は膠原病で大変だけど、
これで膠原病ってオチもそうそうなさそうですね。

「造影剤のないMRIじゃ不鮮明でわからなかった。
あとはリンパを取りだすことになりそうだが、どこの病院にする?」

「あ……う~ん、入院するんだったら私、
実家の近くの病院の方がいいかなと」

「実家どこ?」

「小田原」

「小田原? う~ん……」

「でもあの、今、本当にがんかどうかもわからない状態ですし、
確定診断の検査まではここでやってもらうってわけには……」

「僕は非常勤なんだよ。そういう手術は常勤の先生じゃないとできない。
担当をその先生に交代してもらうから」

これはすごく珍しいケース、難しい症例だと強調する先生。
そういえば最初の診察で

「このリンパでがんを発見なんていうのは
僕の医者人生に一度あるかないかってぐらい 珍しい症例」

だっておっしゃってましたもんね。
そこまでに珍しいケースのものを
地方の病院でって言うのは、考えてみれば間抜けな話かもしれません。
というか、しきりに「他の病院を紹介する」って言われていたのは
この病院では対応しきれない
レアケースだからってことだったのでしょうか?

初めてのPET検査 その2

PET検査はPETスキャナーという
ドーナツ型の機械の中にぐいーんと入って
断面を取っていく感じの検査です。
CT検査やMRI検査をイメージしていただければと。
まあ私、CTとMRIの違いもあんまりちゃんと判ってませんけどw
天井にお花の絵が描いてあって、音楽が流れていて、
やっぱりセレブ向け(?)は違うなあと感心している間に
検査が終わりました。30分ぐらい?
あ……ペットボトルの水、あんまり飲まなかったや。
勿体ないな――。

「あんまり飲まなかったんで、
この水貰って帰ってもいいですか?」


「ダメです。
放射線区域内の物を外に持ち出してはいけません

貧乏人ですみません。

お会計をして帰宅です。
お会計、まあかかるだろうなあと思ってました。
保険が効いている普通のMRIとかマンモグラフィとかでも諭吉1枚弱行きますからね。
諭吉2枚ぐらいかなー。
いや、念のため3枚持っていこうと3枚持っていました。

29180円です

わぁい!

念のため3枚は正解でした。

(健保効いててこれかぁ)

お財布の中には既に1000円札が3枚ぐらいしかありません。
出費の痛さに
有名シェフ監修の検査施設併設レストランでランチするのは諦めました。
そして私はPET検査を終えたばかり。
被曝しています。

被曝している状態なので、1時間ぐらいは人込みに入らないでください。
幼児や妊婦さんには今日1日近寄らないようにしてください

息子は既に中学生なので問題ないですが、
乳幼児のお子さんがいる女性がPET検査受けたりすると大変そうですね。

(いや待てよ。目の前で妊婦さんが突然産気づいても駆け寄っちゃいけないんだよね?
幼児が車に引かれそうになっても抱き上げて助けちゃいけないのかな?)
↑誰もそんな事は言っていないw

そんなしょうもない妄想もしていましたが、それよりひとつ問題が……

(こんな東京のど真ん中で出て行かされて
人込みに近づくなって言われても……)

電車で帰宅するとなれば、どうしても人込みの中になります。
仕方ないので喫茶店を探して人気のない隅に席を取り、本を開きました。
しばらくしたら喫茶店は混雑し始め、私の隣の席にも人が。

(来るなってわけにもいかないし、男の人だから大丈夫だよね?)

ちょっとドキドキしながらもとにかく1時間そこに居座り、電車に乗って帰宅しました。

初めてのPET検査 その1

予約が混みあっていたので、
PET検査を受ける段階で既に4月、桜が舞っていました。

PET検査はがん細胞が正常な細胞に比べて
3~8倍のブドウ糖を取り込むという性質を利用した検査です。
食事療法でがんをやっつけるとかやっている人で
糖質制限をする人がいますが、
まあそういう意味では理屈は間違っていないかなと。
PET検査の場合は
このブドウ糖にポジトロン核種(陽電子放出核種)という
一種の放射性物質を合成したもの(FDG)を注射して
このブドウ糖がどこに集中するかでがん細胞の位置を調べる検査。
つまり体内に放射性物質をわざわざ入れて行う検査です。
検査の際には5時間前から絶食です。
食事を1回抜きましょうぐらいな話なので、
あまり意識しすぎなければ、つらい事ではありません。

検査施設について問診表等を提出したら
検査衣に着替えます。

「薬が全身に回るまで待ち時間あるんですよね?
本、持ち込んでいいですか?

「放射線管理区域内に私物は持ち込まないでください
安静室にはテレビもあるんでそれで我慢して下さい

仕方ないので本はロッカーに戻して、手ぶらで放射線管理区域へ。
静脈にFDGを注射
5分ぐらいかかる長い注射(ゴム管と繋がってる)です。
薬が全身に回るまで1時間安静にしていなくてはいけないので安静室へ。
眠ってもいいということで、リラックスできるようにということか個室でした。
室内にはリクライニングチェアとテレビがあります。
喉が渇いた時用にとペットボトルのミネラルウォーターもいただきました。
リクライニングチェアに座ります。

(!? なにこれ?)

まるで包まれるような……
今まで座った椅子の中で最高の座り心地。

(いやあ……椅子で眠るなんて厳しいなって思ってたけど
世の中にはこんなすごい椅子もあるんだなあ)

この検査施設では人間ドッグも行えて、
宿泊で検査をする人は検査後、
併設されている有名シェフ監修のフレンチレストランで食事ができるそうです。
なんて優雅な!

(もしかしてここってセレブが来たりする施設?
きっとこの椅子も高級品なんだろうなあ。
ちょっと得した気分)

ミネラルウォーターを一口二口飲んでテレビのリモコンを押してみます。

(面白そうな番組ないや)


テレビを消して座り心地の良すぎる椅子に身を任せ目を閉じると
私はいつしか眠りに落ちていました。

「……森田さん」

耳元で声をかけられてはっと目を開けます。
声は椅子についている耳元のスピーカーから出ていました。

「時間になりましたので安静室から出てきてください」

私は体を起こし、ペットボトルの水を一口飲んで安静室から出ました。

造影MRIと喘息

造影MRIと喘息の関係をググってみます。
造影MRIで副作用が起きる可能性は軽微なものも含めて1~2%。
ところが喘息患者の場合は可能性が10倍に跳ね上がります。
つまり10~20%
これは蕁麻疹のような軽微なものを含めなので、
心停止だけを調べてみると通常は1万人に4人以下。
喘息なのでこの10倍の頻度となると、1000人に4人以下。
つまり0.4%以下
このぐらいなら行ってもいいような気もしますが
検査のためだけに死亡リスクがあるのはということで
喘息患者に造影MRIは禁忌となっているようです。

案の定というか、通常のMRIの画像は不鮮明で何も判明しませんでした。
相変わらず痛いマンモグラフィもご同様。
まずはPET検診を受けてからという事になります。

そして紹介してもらいたい病院を考えなくてはなりません。
同居家族は夫と当時中学生の息子。
夫は多忙だし、中学生の息子があてになるとはあんまり思えません。
となると実家の母や妹に頼ることになります。

「やっぱり実家の近くの病院だろうなあ」

仕方ないので、この段階で母に状況説明する事にしました。
さすがに神妙に話を聞いている母に電話で説明して
造影剤のくだりになった途端、母さらっと。

「あら、造影MRI? 私も受けたわよ」

「え? 待って、お母さん私よりひどい喘息だよね。受けられたの?」

「喘息? そんな余計な事言わなかったわよ。
だって症状ないし」

「毎日薬使ってるじゃないの!
そういうの喘息って言うの! 大丈夫だったの?」

「検査のあと蕁麻疹が出てね。
病院で大騒ぎになって半日病院に入院したの。
言ってなかったっけ?」

あー、そういえば事後報告でそんな話を聞いた気も。

とりあえず心停止の副作用じゃなくて良かったとしか……。

面倒なことになってきた?

細胞診の結果を聞きに行くと先生が難しい顔をしていました。
私はちらりと画面をのぞいてみます。

左乳房細胞診クラス1、右腋下リンパ節細胞診クラス3

細胞診について、さすがに気になったので
ざっくり検索して調べてはいました。

クラス1~2→がんではない

クラス4~5→がん
クラス3→
どちらなのか微妙なところ。

「リンパの方ががんかそうでないのか判断がつかなかった。
ただ、僕が見た限りでは細胞の顔つきが悪い
この段階でがんセンター等に紹介して欲しいって人もいるけど、どうする?

……展開が早すぎる。
 
「え? でもクラス3ですよね?
クラス3って、がんじゃない可能性も高いんじゃ……」

「たしかに。でも、細胞の顔つきが悪いんだ。
そしてリンパに出ているということは
すでに転移しているということになる。
なのに、胸の方にそれらしいものが見えない。
原発がわからない

うう~ん。

「リンパを取り出して検査をする必要が
今後出てくるかもしれないが
あの検査は確定診断が出せるが
腕が動かなくなる副作用が出る可能性がある。
がんの疑いは消えました。
でも腕は動かなくなりましたって
わけにいかないだろ?」

腕が動かなくなるのは困る。利き腕だし……。

「先にPET検査をしよう。それにMRI
まずは原発を見つけないといけない。
紹介して欲しい病院を考えておいて」

PETは全身のがんを発見する検査。
その病院にはないので、
その場で四ツ谷の検査施設に予約することになり、
先生が受話器を取りました。

「そういや君、喘息はないよね?」

「…あります」

「え?」

「喘息あります。あ、でも、すごく軽い…」

先生が受話器を戻します。

「じゃあ、ダメだ」

「え?」

椅子をぐるりと回し、先生がこちらに向きなおりました。

癌を見つけるためのMRIは
造影剤を使用すると有効なんだ。
だけどこの造影剤、喘息患者が使った場合、
心筋梗塞を起こすことがある

!!
 
「検査のために心臓止まったってわけにいかないだろう?」

結局、四ツ谷の検査施設にPET検査のみを依頼。
混んでいるから少し先になるので、
まずは今の病院でもう一度、マンモグラフィーと
造影剤を使わない普通のMRIで精密検査を行うことになりました。

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